公開: 2023年3月11日
更新: 2023年4月7日
1856年にドイツのテュッセルトセルフ近郊のネアンデル谷で、石灰岩の採掘作業中に発見された化石から名付けられた、頭骨の形状も明確な人類の祖先でした。身長は、我々のホモ・サピエンスより低く、男性の成人の場合、165センチ程度であったと推定されています。このネアンデルタール人は、その後に誕生した、我々のようなホモ・サピエンスとは別に進化した人類の祖先であると考えられています。
ネアンデルタール人が使っていた石器は、それまでのホモ・エレクトスが使っていたものとは異なる種類のものであることが分かっています。ネアカデルタール人は、寒さに耐えられるように、動物の皮をなめした衣服などを作り、狩猟で得た獣の肉を焼いたりしていたようです。また、お互いの意志を通わすために、言葉による会話もしていたようです。家族を基本とした小さな集団で生活していたため、全体の人口は少なかったと推定されています。
成人の男性は、筋肉の量が多く、がっしりとした体形で、体重も重かったようです。寒い気候に適応して、手足が短く、胴長だったようです。また、弱い紫外線に適応して、目の色が青く、肌の色は色白で、金髪だったようです。この特徴は、現在のヨーロッパ大陸に多い、白人の特徴に似ています。また、現在の我々が持っている一部のインフルエンザに対抗する抗体は、我々の祖先が、ネアンデルタール人から受け継いだものだと考えられています。
このネアンデルタール人は、約3万年前までスペインの洞窟に生きていたことが分かっていますが、その後、絶滅したとされています。ただ、ロシアにネアンデルタール人の子孫ではないかと疑われている人が見つかっています。現在でも、その子孫はロシアで生きています。顔の表情などは、我々と少し違うように見えますが、ホモ・サピエンスではないと言う証拠にはなりません。